足の爪や外反母趾は、転倒リスクと関係する?
〜足元から考える、転ばない身体づくり〜
「最近つまずきやすくなった」「歩くのが不安になってきた」「前より足元がふらつく気がする」
このようなお悩みは、年齢のせいだけではないかもしれません。実は、足の爪の状態や外反母趾、O脚などの“足の形の変化”が、歩行やバランスに関係していることが研究でも報告されています。
今回ご紹介するのは、電気学会論文誌に掲載された「高齢者の足部・足爪異常による転倒への影響」という研究です。
この研究では、自分で歩くことができる高齢女性82名を対象に、足や爪の状態と、歩行能力・足指の力・片足立ち・過去1年間の転倒経験との関係を調べています。
足や爪に異常があると、足指の力が落ちやすい
研究では、足爪異常、外反母趾、O脚がある方と、足に大きな異常がない方を比較しています。
その結果、足や爪に異常がある方は、足指で踏ん張る力が20〜30%ほど低い傾向がありました。
ここで大切なのは、「足指の力」は単なる指先の力ではないということです。
足指は、立つ・歩く・踏ん張る・方向転換する時に、身体を支えるセンサーのような役割もしています。足指がうまく使えないと、重心が安定しにくくなり、歩く時の蹴り出しやバランスにも影響が出やすくなります。
たとえば、爪が厚くなっている、巻き爪で痛い、足指が浮いている、外反母趾で親指が使いにくい。このような状態があると、知らないうちに足指で地面をつかむ力が弱くなっている可能性があります。
片足立ちの力も低下しやすい
この研究では、片足立ちの時間や、30秒間で何回足をついてしまうかも調べています。
結果として、足や爪に異常がある方は、異常がない方と比べて、姿勢を保つ力が約60%低下する傾向がありました。
つまり、足元のトラブルは「痛い」「歩きにくい」だけではありません。身体全体のバランスを保つ力にも関係している可能性があります。
人は立っている時、足裏からたくさんの情報を受け取っています。足指がしっかり接地しているか、かかとに体重が乗りすぎていないか、親指で踏ん張れているか。こうした小さな情報をもとに、身体は無意識にバランスを取っています。
足爪の痛みや外反母趾によって足指がうまく使えないと、このバランス調整が難しくなります。その結果、ふらつきやすくなったり、段差でつまずきやすくなったりすることがあります。
転倒経験にも差が出ていた
さらに研究では、過去1年間の転倒経験も調べています。
結果は以下の通りです。
足爪に異常がある方:46%外反母趾がある方:50%O脚がある方:37%足に大きな異常がない方:20%
この数字を見ると、足や爪の状態が悪い方ほど、転倒経験が多い傾向があることがわかります。
もちろん、転倒の原因は一つではありません。筋力低下、視力、薬の影響、住環境、運動不足など、さまざまな要因があります。
しかし、足元の状態も見逃してはいけない重要なポイントです。
「転ばないため」には靴とインソールも大切
転倒予防というと、筋トレや体操を思い浮かべる方が多いと思います。もちろん運動はとても大切です。
ただし、足そのものがうまく使えていない状態で運動をしても、足指や足裏が十分に働かないことがあります。
そこで大切になるのが、靴のサイズ・履き方・インソールです。
靴が大きすぎると、靴の中で足が前後に動き、足指が踏ん張りにくくなります。逆に靴がきつすぎると、外反母趾や爪の圧迫につながることもあります。
また、足に合ったインソールを入れることで、足裏の接地を整え、足指が使いやすい環境をつくることができます。インソールは単なるクッションではなく、足の位置や重心の流れを整えるための道具です。
こんな方は足元チェックがおすすめです
最近つまずきやすい片足立ちが不安定足指が浮いている外反母趾がある巻き爪や爪の厚みがある靴の中で足が動く歩くと膝や腰が疲れやすい以前より歩幅が狭くなった長く歩くのが不安になってきた
このような状態がある方は、足・爪・靴・インソールを一度見直してみることをおすすめします。
まとめ
今回の研究からわかることは、足や爪の異常は見た目だけの問題ではないということです。
足爪の異常、外反母趾、O脚などがある方は、足指の力やバランス能力が低下しやすく、転倒経験も多い傾向が報告されています。
転ばない身体づくりには、筋力トレーニングだけでなく、足元の環境を整えることも大切です。
「まだ歩けるから大丈夫」ではなく、「これからも歩き続けるために、今の足を確認する」。
それが、健康寿命を延ばす第一歩になります。
当店では、足の状態・靴の履き方・歩行時のクセを確認しながら、一人ひとりに合わせた靴選びとオーダーインソールのご提案を行っています。
つまずきやすさ、歩きにくさ、足の痛みが気になる方は、お気軽にご相談ください