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  • 外反母趾を靴とインソールで改善する方法〜インソール〜靴

    外反母趾(がいはんぼし)は、親指の付け根(第1中足趾節関節)が内側に突出し、親指が小指側に曲がる状態のことです。多くの場合、**足のアーチの崩れ(特に横アーチの低下)**と、合わない靴の長年の使用が原因です。

    ここでは、インソールと靴選びによる改善・対策方法を専門的に解説します。

    1. インソールによる改善方法

    ● 横アーチ(前足部のアーチ)のサポート

    外反母趾の大部分は、横アーチの低下(開帳足)が根本原因です。

    横アーチが崩れると母趾の根元が外に張り出し、親指が内側に倒れます。

    → インソールで**中足骨パッド(メタターサルパッド)**を適切に配置し、横アーチを復元することが重要です。

    ポイント

    • メタパッドは「第2・第3中足骨頭の後方」に位置させる。
    • 硬すぎず、指の動きを阻害しない柔軟素材が理想。
    • 個人の足型に合わせたカスタムインソールが最も効果的。

    ● 内側縦アーチの保持

    内側のアーチ(土踏まず)が落ちていると、親指側への荷重が増えて変形が進みます。

    → インソールで内側アーチを支えることで、足全体のバランスを整える。

    効果

    • 親指の外反角の進行を防ぐ
    • 足裏全体に荷重が分散し、痛みやタコの軽減につながる
    • 歩行の安定性向上(重心が内側に流れにくくなる)

    ● 踵(かかと)の安定化

    踵骨が内側に倒れる(回内)と、親指方向にねじれやすくなる。

    → ヒールカップの深いインソールで踵を正しい位置に安定させる。

    2. 靴による改善方法

    ● 幅とトゥボックス(つま先部分)の形

    • 外反母趾の人は「幅広=楽」と誤解しがちですが、
      重要なのは指の自由度と甲のフィット感の両立。
    • つま先がゆるやかに丸く、母趾を圧迫しない形状を選ぶ。
    • 反対に、甲が緩すぎると前滑りして母趾が押しつぶされる。

    ● ヒールの高さ

    • 3cm以上のヒールは前足部に荷重が集中し、外反母趾を悪化させる。
    • 理想は1〜2cmのヒール。完全なフラットも避けた方がよい(アーチを潰しやすい)。

    ● ソールの剛性と柔軟性

    • ソールが柔らかすぎると足がねじれやすく、母趾に負担がかかる。
    • 理想は踵から土踏まずまではしっかり、指先だけ柔らかい構造。

    ● 紐靴・ストラップ靴を選ぶ

    • 足をしっかり固定できる靴ほど、前滑りや横アーチの崩れを防ぎやすい。
    • 特にスポーツや長時間歩行時は靴紐で甲を安定させることが必須。

    4. 補足:運動療法と組み合わせると効果倍増

    • 足指じゃんけんやタオルギャザーで母趾外転筋(親指を外に広げる筋肉)を強化。
    • 足裏の感覚を高めることで、正しい重心移動が身につく。
    • 毎日の生活で「立ち方」「歩き方」を見直すことも重要。

    外反母趾の治療で最も避けたいのは「痛みが取れた=治った」と思ってしまうこと。

    インソールと靴の調整で、足の構造そのものを支え続けることが、本質的な改善です。

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