6cm以上のハイヒールは、荷重が前足部に偏り、支点が爪先から指の付け根にかけての狭い面積に集中するため、 安定性が悪く、足の筋肉も常に緊張状態で疲労しやすいです。
ヒールが高い分、カカトから着地する自然歩行がしにくくなり歩幅も狭くなります。さらにヒールの高さだけ体が前傾するため、 そのバランスを取る必要から膝、腰への負担が多くなります。できることならば、ハイヒールの長時間の使用は避けるべきです。
ウォーキングタイプなどの運動生の良いもので、撥水・汚染防止加工されたものが理想的です。
歩行時間が長いと足の膨張量も多くなるため、やや多めにゆとり量をとるので、そのため調節機能を持つ靴紐が良いでしょう。
幼児の足のプロポーションは、趾の開きが大人より大きく、歩行が極めて不安定なことから、 靴の爪先部は広めで、爪先はやや反り返ったものが良いです。
爪先が余っているとつまづいて転びやすいので、成長分以上の大きさは不要です。 さらに、幼児は発汗が激しいので、吸放湿性に優れたソフトな素材が理想的です。
高齢者の足は骨格の変化や筋肉の衰えなどで、両足を開いたままの歩行となり、歩幅も狭く、すり足状態になります。 したがって、爪先部はゆったりしたもの。アッパーはソフトな革で足首まで包む深物が良く、 また歩行が不安定なうえ骨折しやすいので底材は滑りにくいものを選ぶとよいでしょう。 全体的には歩行に負担の少ない軽いもので、通気性より保湿性を重視したものが望ましいです。
成人の発汗量は、一日に両足でコップ半分以上で、湿度の高い日や暑い日、 運動の後にはその二倍にも達することもあるといいます。日本の夏は、靴内がとくにムレやすい。 したがって、サンダル、バックベルト、オープントウなど開放部の多い靴、もしくは通気性の良い甲材を使ったメッシュ、 チュールなどの靴が良いです。 発汗に対しては、合成皮革よりも天然皮革あるいは吸湿性の良い材料を使った靴の方が効果的です。 また、同じ靴を長時間使用しないで、2、3足の靴を交互に履くことが望ましいです。 冬のシーズンは寒さに対応した保湿性が大切。ブーツなど足を包む面積の多い方がむろん保湿効果はあるが、 裏材にボア、キルティング、その他保湿性のある材料の併用が効果的です。 また、本底からの冷たさを防ぐには、断熱性のあるウレタン底が効果的です。
雨や雪の日は、防水性と撥水性を第一に考えます。防水性ではゴム系、プラスチック系の素材の一体成形の靴。 ただし、素材と製法の性質上、防水性はほぼ完全ですが、通気性に劣り、さらにデザイン的にも限定されるという欠点があります。 撥水性の素材は天然皮革、合成皮革、合成繊維などの素材で、デザインもほぼ一般靴と変わらず、バリエーションもあります。 また、素材によっては雨、雪をはじき、通気性のあるタイプもありますが、完全防水ではないので注意が必要です。 以上のことを考慮して、状況によっては履き分けを励行することが望ましいです。
靴には、地面からの衝撃を緩和させるという大切な機能が備わっていなければなりません。 そのため底材の選び方は、それを使用する路面状況も考慮に入れる必要があります。 現在の都会では大部分が舗装されており、その衝撃を緩和させる適度なクッション性を持った底材が必要です。 また、土、砂利道ではクッション性とともにグリップ性も必要で、さらに雨、 雪の路面では防滑性のある底材も考えなくてはなりません。